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補助金コラム

GビズIDプライムとSECURITY ACTION|申請前に必ず終わらせる2つの準備

公開日:2026年8月3日 更新日:2026年8月3日

デジタル化・AI導入補助金の申請でつまずく理由の第1位は、事業計画でも見積でもなく、「GビズIDが間に合わなかった」です。GビズIDプライムとSECURITY ACTIONは申請の前提条件で、どちらも欠けていると交付申請そのものができません。この2つはやると決めたその日に着手するのが鉄則です。この記事で手順と所要日数を押さえてください。

この記事でわかること

  1. GビズIDプライムとは何か・なぜ必要か
  2. GビズIDの申請方法と発行までの日数
  3. 法人/個人事業主それぞれの必要書類
  4. SECURITY ACTIONの一つ星・二つ星の違い
  5. SECURITY ACTIONの宣言手順
  6. よくあるつまずき

準備1:GビズIDプライム

GビズIDとは

GビズIDは、1つのアカウントで複数の行政サービスにログインできる、国の共通認証システムです。補助金の申請だけでなく、社会保険の手続きなどにも使えます。デジタル化・AI導入補助金の申請マイページにログインするために必要です。

GビズIDには「エントリー」「プライム」「メンバー」の種類がありますが、補助金申請に必要なのはプライムです。エントリーでは申請できません。

発行までにかかる日数

ここが最大の注意点です。GビズIDプライムは本人確認を伴うため、申請したその日に使えるようにはなりません。マイナンバーカードを使ったオンライン申請なら比較的短期間で発行されますが、書類を郵送する方式では審査と郵送の往復で日数がかかります。

締切から逆算して、最低でも1〜2か月前には申請を
「事業計画は完成したのにGビズIDが届かず、次の締切回に回した」というケースは実際によくあります。ツール選定と並行して、まずGビズIDを申請してください。取得しておいて損はありません。

申請に必要なもの

法人 個人事業主
本人確認 法人代表者の本人確認 事業主本人の本人確認
主な必要書類 印鑑証明書(発行から3か月以内)と、それに使用した実印 印鑑登録証明書(発行から3か月以内)と実印、または個人事業主向けの確認方法
その他 法人番号、代表者名、所在地など登記情報と一致する内容 屋号・住所など、開業届や確定申告と整合する内容
共通 スマートフォン(SMS受信用)、メールアドレス、マイナンバーカード(オンライン申請の場合)
記載内容の不一致に注意。登記や印鑑証明書に書かれた表記(丁目・番地の書き方、旧字体など)と申請内容が食い違うと差し戻されます。証明書のとおりに一字一句そのまま入力してください。

申請の流れ

  1. GビズIDの公式サイトでアカウント種別「プライム」を選ぶ
  2. マイナンバーカードによるオンライン申請、または申請書の作成・印刷
  3. (郵送の場合)申請書に実印を押し、印鑑証明書を同封して郵送
  4. 審査
  5. 登録したメールアドレスにアカウント発行の通知が届く
  6. 初回ログインしてパスワードを設定

発行後は、IDとパスワードを社内で確実に管理してください。申請時だけでなく、交付決定後の実績報告や効果報告でも使います。担当者が退職して分からなくなった、というトラブルが実際にあります。

準備2:SECURITY ACTION

SECURITY ACTIONとは

SECURITY ACTIONは、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自ら宣言する制度です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施しています。審査を受けるものではなく、自己宣言という位置づけです。

デジタル化・AI導入補助金では、「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言していることが申請要件になっています。

一つ星と二つ星の違い

★一つ星 ★★二つ星
内容 IPAの「情報セキュリティ5か条」に取り組むことを宣言 「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握し、情報セキュリティ基本方針を定めて宣言
手間 比較的すぐ完了できる 診断と基本方針の作成が必要
補助金の要件 どちらでも要件を満たす

「情報セキュリティ5か条」は、①OSやソフトを最新に保つ、②ウイルス対策ソフトを導入する、③パスワードを強化する、④共有設定を見直す、⑤脅威や攻撃の手口を知る——というものです。整備工場や車販店でも、顧客の個人情報と車両情報を大量に扱います。形式的な宣言で終わらせず、実際に5か条を点検する機会にすることをおすすめします。

宣言の手順

  1. IPAのSECURITY ACTION特設サイトにアクセス
  2. 一つ星または二つ星を選ぶ
  3. 事業者情報を入力して自己宣言
  4. 宣言後、「SECURITY ACTION自己宣言ID」が発行される

この自己宣言IDを補助金の交付申請時に入力します。取得したIDは必ず控えておいてください。

この2つが終わったら次にやること

  1. 導入するITツールとIT導入支援事業者の確定(見積の取得)
  2. 納税証明書・履歴事項全部証明書/確定申告書などの取得
  3. 事業計画(労働生産性の向上目標)の作成
  4. 申請マイページでの入力・提出

必要書類には発行から3か月以内といった有効期限があります。GビズIDを待っている間に証明書の期限が切れないよう、取得の順番にも気を配ってください。全体の逆算表はスケジュールの記事にまとめています。

ご注意 本記事は制度をわかりやすく整理したものです。補助額・補助率・締切などの条件は締切回や公募要領の改定で変わることがあります。申請前に必ず「デジタル化・AI導入補助金2026」事務局の最新の公募要領をご確認ください。日本カーネットはIT導入支援事業者として、公募要領の読み解きから申請書類の作成までご相談を承っています。

GビズIDでよくあるトラブルと対処

トラブル 原因 対処
申請が差し戻された 印鑑証明書の記載と申請内容の表記が違う 証明書の表記どおりに再入力する(丁目・番地・旧字体まで一致させる)
SMSが届かない 登録した携帯番号の誤り、迷惑SMS設定 番号を確認し、受信拒否設定を解除する
ログインできない ワンタイムパスワードの入力期限切れ、担当者変更で情報が不明 時間内に入力する。情報不明なら再発行手続きを検討
担当者が退職して分からない アカウント情報が個人に紐づいたまま アカウント情報は会社の資産として管理台帳に記録しておく
締切に間に合わない 着手が遅い 取得だけ先に済ませておく。使わなくても不利益はない
GビズIDは「補助金を使うと決めてから取る」ものではない
補助金以外の行政手続きにも使えるため、取得しておいて損はありません。むしろ「いつか補助金を使うかもしれない」段階で取っておくと、いざというときに締切へ間に合います。整備工場・車販店の経営者の方には、まずここから着手することを強くおすすめしています。

情報セキュリティ5か条を整備工場で実践する

SECURITY ACTIONの一つ星は「情報セキュリティ5か条」への取り組み宣言です。形式的に済ませることもできますが、車の整備・販売事業者は顧客の氏名・住所・電話番号・車台番号・ナンバー・車検証情報という濃い個人情報を扱います。この機会に実際に点検しておくことをおすすめします。

5か条 整備工場での具体策
①OS・ソフトを最新に 事務所のパソコンとタブレットの更新状況を確認。サポートが終了したOSを使い続けていないか
②ウイルス対策ソフトを導入 全端末に導入されているか。期限切れのまま放置していないか
③パスワードを強化 整備システムのログインを全員で共有していないか。単純なパスワードを使い回していないか
④共有設定を見直す 顧客データの入ったフォルダが誰でも見られる状態になっていないか。クラウドの共有リンクが公開になっていないか
⑤脅威と攻撃の手口を知る 取引先を装ったメールの添付ファイル、偽の請求書メールに注意を促す

実際、顧客名簿の入ったパソコンが1台壊れただけで業務が止まる工場は珍しくありません。クラウド型の整備システムに移行することは、業務効率化であると同時に、情報が1台のパソコンに依存する状態からの脱却でもあります。

もう一段上の対策:セキュリティ対策推進枠

もしセキュリティ対策そのものを強化したい場合、デジタル化・AI導入補助金には「セキュリティ対策推進枠」があります。補助額は5万円以上150万円以下、補助率は1/2以内(小規模事業者は2/3以内)です。IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」に登録されたサービスの導入などが対象になります。

基幹システムの導入とは別に検討できるので、「本業のシステムは通常枠、セキュリティは推進枠」という組み立ても可能です。詳しくは制度の総まとめ記事をご覧ください。

準備の順番まとめ

  1. GビズIDプライムを申請(今日やる)
  2. SECURITY ACTIONを宣言(すぐ終わる)
  3. 導入するITツールと支援事業者を決める → 対象ITツールの記事
  4. 必要書類を集める(有効期限に注意)
  5. 事業計画を作る → 審査と不採択理由の記事
  6. 締切に合わせて申請 → スケジュールの記事

よくある質問

Q. GビズIDのエントリーアカウントでは申請できませんか?
A. できません。必ずプライムアカウントが必要です。すでにエントリーを持っている場合も、プライムを別途取得してください。
Q. GビズIDの発行にはどれくらいかかりますか?
A. 申請方法や時期によって変わります。マイナンバーカードによるオンライン申請の方が短期間で済みます。締切直前は申請が集中するため、余裕をもって手続きしてください。
Q. SECURITY ACTIONは費用がかかりますか?
A. 無料です。自己宣言なので審査もありません。
Q. 一つ星と二つ星、どちらを宣言すべきですか?
A. 補助金の要件としてはどちらでも構いません。まず一つ星で宣言し、余裕があれば二つ星に進むのが現実的です。
Q. 過去に取得したGビズIDやSECURITY ACTIONは使えますか?
A. 有効であれば使えます。ただしSECURITY ACTIONは宣言内容の更新が推奨されているため、内容が古くなっていないか確認しておきましょう。

まとめ

  • 申請にはGビズIDプライムSECURITY ACTIONの両方が必須。
  • GビズIDはエントリーでは不可。必ずプライム。
  • 発行に日数がかかるため、やると決めた日に申請する。締切の1〜2か月前が目安。
  • 印鑑証明書の表記と一字一句そろえて入力する。差し戻しの最大要因。
  • SECURITY ACTIONは無料の自己宣言。一つ星でも要件を満たす
  • 宣言後に発行される自己宣言IDを申請時に入力するので必ず控える。
  • アカウント情報は会社の資産として管理。効果報告でも数年間使う。

顧客の個人情報と車両情報を扱う事業者にとって、SECURITY ACTIONは形式ではなく実益のある取り組みです。この機会に社内の対策を点検してください。

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