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補助金コラム

パソコン・タブレットは補助対象になる?デジタル化・AI導入補助金で買える条件と上限額

公開日:2026年8月3日 更新日:2026年10月10日

「補助金でパソコンを買い替えたい」というご相談はとても多いのですが、ここは誤解が集中しているところでもあります。デジタル化・AI導入補助金でパソコンやタブレットが対象になるのは特定の枠に限られ、しかもソフトウェアとセットであることが前提です。この記事では、どういう場合に買えて、どういう場合に買えないのかを、条件と金額の両面からはっきりさせます。

この記事でわかること

  1. パソコン・タブレットが対象になる枠
  2. 機器ごとの補助額の上限(10万円・20万円)
  3. 「パソコンだけ」が申請できない理由
  4. どこで買えばいいのか
  5. 対象になる機器・ならない機器の一覧
  6. よくある質問

対象になるのは「インボイス枠(インボイス対応類型)」だけ

デジタル化・AI導入補助金2026には5つの枠がありますが、ハードウェアが補助対象になるのはインボイス枠(インボイス対応類型)のみです。通常枠でパソコンを買うことはできません。

申請枠 ハードウェアの扱い
通常枠 対象外(ソフトウェア・導入関連費・クラウド利用料のみ)
インボイス枠(インボイス対応類型) 対象(補助額の上限あり)
インボイス枠(電子取引類型) 対象外
セキュリティ対策推進枠 対象外
複数者連携デジタル化・AI導入枠 類型により異なる

自社の場合はいくら補助される?

導入するソフトの契約金額と枠を選ぶだけで、補助額と実質負担額の目安を計算できます(無料・登録不要)。

補助額シミュレーターで計算する

インボイス対応類型は、その名のとおりインボイス制度(適格請求書等保存方式)に対応した会計・受発注・決済・請求のソフトを導入するための枠です。そのソフトを動かすために必要な機器として、パソコンやレジが認められている、という構造になっています。

機器ごとの補助額の上限

機器 補助額の上限 補助率
パソコン、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機など 10万円 1/2以内
POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機など 20万円 1/2以内

この上限は「補助額の上限」です。補助率は1/2以内なので、20万円のパソコンなら補助額は10万円、自己負担は10万円です。30万円のパソコンでも補助額は10万円までで、残りの20万円は自己負担になります。

ここを勘違いしやすい:「10万円までが対象経費」ではなく「補助額が10万円まで」です(補助率1/2以内)。ただし価格には経済的な合理性が求められるため、高価なワークステーションを補助金で賄う構成は認められにくくなります。

「パソコンだけ」は申請できない

もっとも多い質問がこれです。答えはできません。理由は、この補助金がハードウェアの購入支援ではなく、ソフトウェアの導入による業務のデジタル化を支援する制度だからです。

インボイス対応類型で申請する場合、必ず対象となるソフトウェアを含める必要があり、ハードウェアはそのソフトを利用するために必要な範囲で認められます。「パソコンを安く買う手段」として使うことはできない、と理解してください。

正しい組み立て方
「パソコンが古いから買い替えたい」ではなく、「インボイス対応の請求システムを入れる。そのために現場で使う端末が要る」という順番で計画を組みます。整備工場なら、たとえば整備システムと連動する請求機能を導入し、フロントとピットで使うタブレットを合わせて申請する、という形です。

どこで買えばいいのか

これも重要なポイントです。ハードウェアは、申請に関わるIT導入支援事業者から購入するのが原則です。家電量販店やネット通販で自分で買ってきたものは補助対象になりません。

理由は、補助対象経費であることを証明するために、支援事業者を通じた見積・契約・支払の記録が必要になるためです。「PCは自分で安く買って、ソフトだけ申請する」ということはできません。

また、購入のタイミングにも制約があります。交付決定より前に発注・購入した機器は対象外です。「先に買っておいて、後から補助金を申請する」は通りません。

対象になる機器・ならない機器

区分 例
対象になりうる パソコン、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機、POSレジ、モバイルPOSレジ、券売機
対象にならない スマートフォン、単体で購入する周辺機器、リースで調達する機器、中古品、事業に直接関係しない機器、業務用工具・整備機器

整備工場の方からよくいただく「テスターやリフト、エーミング機器は対象になりますか」という質問については、これらはこの補助金の対象外です。ただしスキャンツールには国土交通省の専用制度があります(スキャンツール補助金の記事)。リフトなどの整備機器は、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金、自治体独自の補助制度など、別の制度を検討することになります。整備工場が使える制度の全体像は整備工場が使える補助金まとめで一覧にしています。

法人・個人事業主がパソコン購入に補助金を使う条件

パソコン購入に使える補助金を探して、IT導入補助金(現在の名称はデジタル化・AI導入補助金)にたどり着く方は多いです。パソコン購入の条件は法人でも個人事業主でも同じで、インボイス枠(インボイス対応類型)で会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つ登録ソフトと一緒に申請した場合に限り、補助率1/2以内・補助額の上限10万円で対象になります。小規模事業者の優遇(4/5以内)はソフトの補助額50万円以下の部分に付くもので、パソコンの補助率は事業者の規模にかかわらず1/2以内のままです。法人も個人事業主も、業種ごとの資本金・従業員数の基準に収まる中小企業・小規模事業者であることが前提です。個人事業主の条件は個人事業主・小規模事業者の記事にまとめています。

「パソコン 助成金」で探す方もいますが、この制度は経済産業省・中小企業庁の補助金で、厚生労働省の雇用関係の助成金とは別の制度です。審査を経て交付決定を受けてから購入する流れなので、すでに買ったパソコンは後から申請しても対象になりません。複合機、プリンター、スキャナーもパソコンと同じ区分(補助額の上限10万円)で扱われます。

整備工場・車販店での組み合わせ例

  • フロント業務のデジタル化:インボイス対応の請求・見積機能を持つ自動車整備ソフト+受付カウンターのパソコン+帳票用プリンター
  • ピットでの入力:整備システムのモバイル入力機能+作業指示を確認するタブレット
  • 車販店の店頭:車両販売システム+契約書類を出力する複合機+POSレジ

ポイントは、ハードウェアはあくまで脇役として組み立てることです。主役はソフトウェアで、それによって業務がどう変わるかが審査で見られます。

ご注意 本記事は制度をわかりやすく整理したものです。補助額・補助率・締切などの条件は締切回や公募要領の改定で変わることがあります。申請前に必ず「デジタル化・AI導入補助金2026」事務局の最新の公募要領をご確認ください。日本カーネットはIT導入支援事業者として、公募要領の読み解きから申請書類の作成までご相談を承っています。

インボイス対応類型で申請するときの組み立て方

パソコンやタブレットを含めたい場合、申請の設計は次のような順番になります。

  1. インボイス制度対応で困っている業務を特定する
    適格請求書の発行、受け取った請求書の保存、消費税額の計算、電子取引データの保存など。
  2. その業務を担う登録済みITツールを選ぶ
    会計ソフト、請求管理、受発注、決済など。自動車整備システムに請求機能が含まれている場合、それが該当することもあります。
  3. そのツールを実際に使う場所と人を洗い出す
    フロント、事務所、ピット、外回り——誰がどこで入力するのかを具体化します。
  4. 必要な端末の種類と台数を決める
    ここで初めてパソコン・タブレットの話になります。
  5. 補助額の上限を踏まえて機種を選ぶ
    補助額の上限はPC・タブレットが10万円、レジ・券売機が20万円です(補助率1/2以内)。レジとして使う端末はPOSレジの区分になり、「決済」機能を持つソフトとの組み合わせが必要です。なお3次締切分からは、インボイス対応類型でスマートレジの導入が優先採択されています。
審査で見られるのは「必要性」
台数や機種の妥当性は、従業員数・作業場所・業務フローから説明できる必要があります。「事務員1名の工場でパソコン5台」といった構成は、理由が説明できなければ認められにくくなります。逆に、ピットでの入力用にタブレットが3台必要という説明が業務フローと一致していれば、無理のない申請になります。

ハードウェアを含めるときの注意点

1. 補助率はソフトウェアより低い

インボイス対応類型では、ソフトウェアの補助額のうち50万円以下の部分が3/4以内(小規模事業者は4/5以内)であるのに対し、ハードウェアは1/2以内です。ハードウェアの比率が高くなるほど、全体の補助率は下がります。

2. 「ソフト+ハード」のバランス

ハードウェアはソフトウェアの利用に必要な範囲で認められるものです。ソフトが10万円でハードが200万円といった構成は、制度の趣旨から外れていると判断されるおそれがあります。

3. 保証・保守の扱い

延長保証やサポートパックの扱いは、対象経費に含まれるかどうかが構成によって変わります。見積の内訳を明細レベルで確認してください。

4. 納品時期と実績報告

実績報告では、実際に導入されたことを示す証跡が必要です。納品書、設置状況の写真、シリアル番号の記録などを残しておくとスムーズです。

5. 買い替えではなく「増設」も検討する

既存のパソコンがまだ使えるなら、無理に全台を入れ替える必要はありません。足りない場所に必要な分だけ足す方が、必要性の説明もしやすく、自己負担も抑えられます。

他の枠との比較で判断する

通常枠 インボイス枠(対応類型)
ハードウェア 対象外 対象(補助額の上限あり)
補助額の上限 450万円 350万円
ソフトの補助率 1/2以内(最低賃金近傍の事業者は2/3以内) 50万円以下の部分は3/4以内(小規模4/5以内)
向いているケース 基幹システムを広く導入したい インボイス対応と端末整備を同時にやりたい

「端末が欲しいからインボイス枠」と短絡せず、導入したいソフトの規模で判断するのが正解です。450万円規模の基幹システムを入れるなら通常枠の方が総額では有利になります。枠の全体像は制度の総まとめ記事、選べるツールは対象ITツールの記事をご覧ください。

よくある質問

Q. デジタル化・AI導入補助金でパソコンは購入できますか?
A. インボイス枠(インボイス対応類型)で、対象ソフトウェアとセットであれば可能です。補助率1/2以内で、補助額の上限は10万円です。
Q. パソコンはどこで買えばいいですか?
A. 申請を一緒に進めるIT導入支援事業者から購入します。量販店や通販で自分で購入したものは対象になりません。
Q. iPadなどのタブレットも対象ですか?
A. タブレット端末はパソコンと同じ区分で、補助額の上限は10万円です。ただしスマートフォンは対象外です。
Q. 複数台まとめて買えますか?
A. 業務上必要な台数であれば複数台の申請も可能ですが、必要性の説明が求められます。「従業員数を大きく超える台数」などは認められにくくなります。
Q. リースでもいいですか?
A. ハードウェアのリースは対象外です。ソフトウェアについてはクラウド利用料が最大2年分まで対象になります。
Q. 中古のパソコンは対象になりますか?
A. 中古品は対象外です。
Q. 法人と個人事業主で、パソコンの補助額は変わりますか?
A. 変わりません。どちらもインボイス枠(インボイス対応類型)でソフトとセットの場合に限り、補助率1/2以内、補助額の上限10万円です。
Q. 月額課金のクラウドソフトと一緒でもパソコンは対象になりますか?
A. ソフトが会計・受発注・決済のいずれかの機能でインボイス対応類型に登録されていれば、クラウド型でも対象になり得ます。クラウド利用料は最大2年分が補助対象で、3年目以降の月額料金は自社負担です。

まとめ

  • ハードウェアが対象になるのはインボイス枠(インボイス対応類型)のみ。通常枠では買えない。
  • 補助額の上限はPC・タブレット・プリンター等が10万円、レジ・券売機等が20万円。補助率は1/2以内。
  • 上限は「対象経費として認められる額」ではなく「補助される額」。
  • パソコンだけの申請は不可。必ず対象ソフトウェアとセット。
  • 購入先は申請に関わるIT導入支援事業者。量販店・通販での自己購入は対象外。
  • 交付決定前に購入したものは対象外。中古品・リースも対象外。
  • スマートフォン、整備機器(リフト・テスター・エーミング機器)は対象外。

端末が必要な理由を業務フローから説明できる構成にすることが、審査を通すコツです。組み立て方からご相談ください。

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