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補助金コラム

デジタル化・AI導入補助金2026とは?旧IT導入補助金からの変更点と5つの枠・補助額を解説

公開日:2026年8月3日 更新日:2026年8月13日

2026年度から、中小企業のIT投資を支える「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」という名前に変わりました。名前が変わっただけの改称ではなく、AIの活用まで見据えた制度に整理し直されたのが今回の大きなポイントです。この記事では、デジタル化・AI導入補助金2026の全体像を、申請枠・補助額・補助率・対象者・対象経費・申請の流れの順に整理します。車販店・整備工場・鈑金工場の方が「自社は使えるのか」を判断できるところまで解説します。

この記事でわかること

  1. デジタル化・AI導入補助金2026とは何か(旧IT導入補助金との関係)
  2. IT導入補助金2025から変わった点・変わらない点
  3. 5つの申請枠と補助額・補助率の一覧
  4. 補助の対象になる事業者・ITツール・経費
  5. 申請から補助金が入金されるまでの流れ
  6. よくある質問

デジタル化・AI導入補助金2026とは(旧IT導入補助金)

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者がソフトウェアやクラウドサービスを導入して業務を効率化し、労働生産性を高める取り組みを、国が費用の一部を負担して後押しする制度です。正式な事業名は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」で、経済産業省・中小企業庁の所管、実際の運営は事務局(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が担っています。

2017年度に始まった「IT導入補助金」が前身で、2026年度から現在の名称になりました。制度の骨格である「あらかじめ登録されたITツールを、あらかじめ登録されたIT導入支援事業者と一緒に導入する」という仕組みは変わっていません。申請するのは補助を受ける事業者本人ですが、実務はIT導入支援事業者と二人三脚で進めるという点も同じです。

なぜ「AI」が名前に入ったのか

近年、中小企業の現場でも生成AIをはじめとするAI技術の活用が一気に広がりました。一方で「AIを使ったツールが補助対象になるのかどうか分かりにくい」という声が多く、制度側でその扱いを明確にする必要がありました。2026年度は、ITツールを登録する段階で「生成AIを使っているか」「生成AI以外のAI技術を使っているか」を申告することが必須になり、公式のITツール検索でも「AI機能付き」で絞り込めるようになっています。

つまり、デジタル化・AI導入補助金という名称は「AI専用の補助金になった」という意味ではありません。従来どおり販売管理・会計・予約・在庫といった普通の業務ソフトも対象で、そこにAI活用という選択肢がはっきり位置づけられた、と理解するのが正確です。自動車整備システムや車両販売システムのように、日々の業務を回すための基幹ソフトは引き続き中心的な対象です。

IT導入補助金2025からの主な変更点

1. 名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変更

「IT導入補助金2026」で検索する方も多いですが、2026年度の正式名称はデジタル化・AI導入補助金2026です。事務局サイトや公募要領も新名称で公開されています。過去の交付決定や効果報告の手続きは、それぞれの年度の名称のまま続きます。

2. AI機能の申告が必須化

ITツールの登録時にAI機能の有無を申告する運用になりました。導入する側にとっては、検討中のツールがAI機能を持つかどうかを公式サイト上で比較しやすくなったというメリットがあります。なお、AI機能があることが直ちに加点になるという記載はありません。「AI搭載だから採択されやすい」という説明には注意してください。

3. 2回目以降の申請要件が厳しくなった

過去にIT導入補助金・デジタル化・AI導入補助金の交付決定を受けたことがある事業者が再び申請する場合、3年間の事業計画を策定し、給与支給総額の年平均成長率を一定以上(物価安定目標を上回る水準)確保することが求められます。「毎年なんとなく申請する」ことは想定されておらず、投資と処遇改善をセットで示す必要があります。詳しくは2回目の申請と賃上げ要件の記事で解説しています。

5つの申請枠と補助額・補助率

デジタル化・AI導入補助金2026には5つの枠があります。自社の目的に一番近い枠を選ぶことが、採択への第一歩です。

申請枠 補助額 補助率 主な用途
通常枠 5万円以上450万円以下
(1プロセス以上で150万円未満/4プロセス以上で150万円以上450万円以下)
1/2以内
(小規模事業者は2/3以内)
販売管理・会計・在庫・予約など幅広い業務のデジタル化
インボイス枠
(インボイス対応類型)
350万円以下 ソフト50万円以下の部分:3/4以内(小規模事業者は4/5以内)
50万円超〜350万円の部分:2/3以内
ハードウェア:1/2以内
会計・受発注・決済・請求など、インボイス制度に対応する機能の導入
インボイス枠
(電子取引類型)
350万円以下 中小企業:2/3以内
その他の事業者:1/2以内
取引先を巻き込んだ受発注のデジタル化
セキュリティ対策推進枠 5万円以上150万円以下 1/2以内
(小規模事業者は2/3以内)
サイバー攻撃対策サービスの導入
複数者連携
デジタル化・AI導入枠
3,000万円以下 枠・区分により異なる 商店街・組合など複数事業者が連携した取り組み
迷ったらまず「通常枠」
自動車整備システム・車両販売システム・鈑金見積システムのような基幹業務ソフトを入れたい場合、多くのケースで通常枠が候補になります。会計・受発注まわりを同時に入れ替えるなら、インボイス枠(インボイス対応類型)の方が補助率が高くなることもあります。どちらが有利かはツール構成と金額で変わるため、見積の前に一度ご相談ください。

通常枠の「プロセス数」とは

通常枠の補助額は、導入するソフトウェアがカバーする業務プロセスの数で区分されます。プロセスとは「顧客対応・販売支援」「決済・債権債務・資金回収管理」「調達・供給・在庫・物流」「会計・財務・経営」といった業務のまとまりのことです。1つのプロセスだけをカバーするソフトなら150万円未満、4つ以上をカバーするなら150万円以上450万円以下の区分で申請できます。基幹システムのように複数業務をまとめて扱うソフトほど、上位の区分を狙いやすいのが特徴です。

補助の対象になる事業者

対象は日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者です。業種ごとに資本金・従業員数の上限が決められており、自動車整備業や自動車小売業もサービス業・小売業の枠組みで対象になります。法人だけでなく個人事業主も対象です。

  • 中小企業:業種ごとの資本金・従業員数の基準を満たす法人・個人
  • 小規模事業者:商業・サービス業は従業員5人以下、それ以外の業種は20人以下が目安
  • みなし大企業(大企業の出資比率が高い法人など)は対象外
  • 過去に補助金の不正受給などで交付取消を受けた事業者は対象外

「開業したばかりだと申請できないのでは」という質問をよくいただきますが、創業間もない事業者でも申請そのものは可能です。ただし決算書や確定申告書といった事業の実在を示す書類が提出できるかどうかが実務上のハードルになります。詳しくは個人事業主・小規模事業者向けの記事をご覧ください。

補助対象になる経費

経費区分 内容 注意点
ソフトウェア購入費 事務局に登録されたITツールのライセンス・利用権 登録されていないソフトは対象外
導入関連費 導入設定、データ移行、マニュアル作成、操作研修、保守サポート ソフトウェアとセットで登録されたものに限る
クラウド利用料 クラウドサービスの利用料 最大2年分まで
ハードウェア購入費 PC・タブレット・レジ・券売機など インボイス枠(インボイス対応類型)でのみ対象。単価上限あり

いちばん間違えやすいのが「補助対象になるのは、事務局に登録済みのITツールだけ」という点です。市販のソフトを自分で買ってきても対象にはなりません。また、交付決定の前に発注・契約・支払いをしてしまうと、その経費は補助対象外になります。ここは取り返しがつかないので、必ず交付決定を待ってから発注してください。

申請から入金までの流れ

  1. 制度を理解し、導入するITツールとIT導入支援事業者を決める(ここが実質のスタート)
  2. GビズIDプライムアカウントを取得する(発行まで日数がかかるので最優先)
  3. SECURITY ACTIONを宣言する(情報セキュリティ対策の自己宣言)
  4. 申請マイページで事業計画と必要書類を入力し、交付申請(IT導入支援事業者と共同で作成)
  5. 事務局の審査を経て交付決定
  6. 交付決定後にITツールを発注・契約・支払い・導入
  7. 事業実績報告(支払を証明する書類などを提出)
  8. 補助額の確定通知を受けて補助金の入金
  9. 導入後、数年にわたり事業実施効果報告を提出

補助金は後払いです。導入費用はいったん全額を自社で支払う必要があるため、資金繰りの計画も一緒に立てておきましょう。入金までの期間は締切回によりますが、交付申請から数か月単位で見ておくのが安全です。

自動車業界での活用イメージ

車販店・整備工場・鈑金工場では、次のような形で活用されています。

  • 整備工場:紙の作業指示書と手書きの見積を、自動車整備システムに置き換えて、受付から請求・入金管理まで一本化する
  • 車販店:在庫車両の管理・展示・見積・契約書類の作成を車両販売システムでつなぎ、二重入力をなくす
  • 鈑金工場:鈑金見積システムを導入し、保険会社とのやり取りに使う見積の作成時間を短縮する
  • 共通:インボイス制度・電子帳簿保存法に対応した請求・保存の仕組みに切り替える

詳しい導入例は自動車整備工場向けの活用記事にまとめています。なおスキャンツールなどの整備機器はこの補助金の対象外で、国土交通省のスキャンツール補助金の記事が別にあります。整備工場が使える制度を横断で比較したい方は整備工場が使える補助金まとめをご覧ください。

ご注意 本記事は制度をわかりやすく整理したものです。補助額・補助率・締切などの条件は締切回や公募要領の改定で変わることがあります。申請前に必ず「デジタル化・AI導入補助金2026」事務局の最新の公募要領をご確認ください。日本カーネットはIT導入支援事業者として、公募要領の読み解きから申請書類の作成までご相談を承っています。

よくある質問

Q. IT導入補助金2026とデジタル化・AI導入補助金2026は違う制度ですか?
A. 同じ制度です。2026年度から名称がデジタル化・AI導入補助金に変わりました。検索では「IT導入補助金2026」で調べる方も多いですが、公募要領などの公式資料は新名称で出ています。
Q. 補助金はいくらもらえますか?
A. 枠によって上限が異なります。通常枠は最大450万円、インボイス枠は最大350万円、セキュリティ対策推進枠は最大150万円です。実際の金額は「対象経費 × 補助率」で決まるため、たとえば通常枠で200万円のシステムを小規模事業者が導入した場合、補助率2/3なら約133万円が上限の目安になります。
Q. AIを使っていないソフトは対象外になりましたか?
A. いいえ。AI機能の有無にかかわらず、事務局に登録されたITツールであれば対象です。名称にAIが入ったのは、AI活用ツールの位置づけを明確にするためです。
Q. 申請は自分でできますか?
A. 申請の主体は補助を受ける事業者ですが、IT導入支援事業者と一緒に申請マイページで手続きを進める仕組みです。支援事業者を通さずに単独で完結させることはできません。
Q. 何回でも使えますか?
A. 過去に交付決定を受けた事業者も申請できますが、2026年度は3年間の事業計画と給与支給総額の成長率に関する追加要件があります。

まとめ

  • 2026年度からIT導入補助金はデジタル化・AI導入補助金に名称変更。制度の骨格は同じ。
  • 申請枠は5つ。通常枠は最大450万円、インボイス枠は最大350万円、セキュリティ対策推進枠は最大150万円。
  • 補助率は枠によるが、小規模事業者は優遇される(通常枠なら2/3以内)。
  • 対象は事務局に登録されたITツールのみ。市販ソフトの自己購入は不可。
  • 交付決定前の発注・契約・支払いは補助対象外。ここだけは絶対に守る。
  • AI機能の申告が必須化されたが、AIがなくても対象
  • 再申請には3年間の事業計画と給与年平均成長率3%以上が必要。

自動車整備システム・車両販売システム・鈑金見積システムの導入は、この制度と相性の良い領域です。まずは「自社が対象になるか」「どの枠が有利か」からご相談ください。

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