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補助金コラム

インボイス枠とセキュリティ対策推進枠の違い|デジタル化・AI導入補助金2026の補助率・上限・対象

公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)には、通常枠のほかに「インボイス枠」と「セキュリティ対策推進枠」があります。インボイス枠は会計・受発注・決済のソフトとあわせてPCやレジまで補助の対象にでき、セキュリティ対策推進枠はIPAの「お助け隊サービス」の利用料を最大2年分補助します。この記事では、2つの枠の違い、補助率と上限、ハードウェアの扱い、整備工場での使い分けを、2026年10月4日時点の公募要領から整理します。

この記事でわかること

  1. インボイス枠とセキュリティ対策推進枠の違い
  2. インボイス対応類型の補助率と上限(計算例つき)
  3. インボイス枠でPC・タブレット・レジを買う条件
  4. 電子取引類型の対象と申請状況
  5. セキュリティ対策推進枠の対象サービス
  6. 整備工場での使い分けの例

インボイス枠とセキュリティ対策推進枠の違い

インボイス枠とセキュリティ対策推進枠は、補助する対象がまったく違います。インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応し「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトウェアと、その使用に必要なPC・タブレット・レジなどを補助します。ソフト部分の補助額は最大350万円で、補助額50万円以下の部分は3/4(小規模事業者は4/5)、50万円を超える部分は2/3です。セキュリティ対策推進枠は、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載ったサービスの利用料を最大2年分補助し、補助額は5万〜150万円、補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3です。1〜3次の採択率は、インボイス対応類型が44.7〜55.3%、セキュリティ対策推進枠が約72%でした。どちらもGビズIDプライムとSECURITY ACTION(一つ星か二つ星)の宣言が申請の条件です。

なお、通常枠の補助率は1/2が基本で、2/3になるのは最低賃金近傍の事業者だけです。小規模事業者だからといって通常枠の補助率は上がりません。

項目 インボイス対応類型 電子取引類型 セキュリティ対策推進枠
対象 会計・受発注・決済のソフトと関連経費、PC・レジなど 取引先にアカウントを無償発行できる受発注ソフト お助け隊サービスの利用料
補助額 ソフト:下限なし〜350万円、PC等:〜10万円、レジ等:〜20万円 下限なし〜350万円 5万円〜150万円
補助率 3/4(小規模4/5)、50万円超の部分は2/3、ハードは1/2 中小企業等2/3、その他の事業者等1/2 中小企業1/2、小規模事業者2/3
1〜3次の申請数 12,096件(交付決定5,904件) 0件 134件(交付決定97件)

インボイス枠(インボイス対応類型)の補助率と上限

インボイス対応類型の補助額は、導入するソフトの機能の数で上限が変わります。「会計」「受発注」「決済」のうち1機能だけなら上限50万円、2機能以上なら上限350万円です。補助率は補助額で区切って計算し、補助額50万円以下の部分は3/4以内、小規模事業者は4/5以内です。50万円を超える部分は、事業者の規模にかかわらず2/3以内になります。境目の50万円は補助額で判定するもので、対象経費の金額で区切るものではありません。役務(導入コンサルティング、導入設定・研修、保守サポート)の対象経費は合計200万円が上限で、クラウド利用料は最大2年分、オプションは最大1年分が対象です。補助の対象は税抜の金額で、消費税は対象外の経費です。交付決定後に従業員が増えて小規模事業者の定義から外れた場合、50万円以下の部分の補助率は4/5から3/4に下がり、対象経費の上限は申請時の金額のままです。

計算例:会計と決済の2機能を持つソフトを税抜100万円で導入

  • 小規模事業者の場合:対象経費62.5万円分に4/5をかけて補助50万円。残り37.5万円に2/3をかけて25万円。補助は合計75万円で、自己負担は税抜25万円です
  • 小規模事業者でない場合:対象経費約66.7万円分に3/4をかけて補助50万円。残り約33.3万円に2/3をかけて約22.2万円。補助は合計約72.2万円です

補助額の1円未満は切り捨てです。金額の目安は実質負担額シミュレーターでも試算できます。2022〜2025年にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者は、インボイス対応類型でも、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上の賃上げ計画と、従業員への表明が必須になります。目標を達成できなかった場合は補助金の返還を求められることがあります。

インボイス枠でPC・タブレット・レジ(ハードウェア)を買う条件

インボイス対応類型では、PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機(カテゴリー8)と、POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機(カテゴリー9)を補助の対象にできます。補助率は1/2以内で、補助額の上限はPC等が10万円、レジ等が20万円です。この10万円と20万円は補助額の上限で、1台あたりの単価の上限ではありません。税抜16万円のPCなら補助は8万円、税抜25万円のPCなら上限の10万円です。ハードウェアだけの申請はできず、「会計」「受発注」「決済」のいずれかの機能を持つソフトとあわせて申請します。PCなどは、ソフトの購入先として選んだIT導入支援事業者(コンソーシアムの構成員を含む)から買う必要があります。レジとして使う機器はカテゴリー9に入れ、「決済」機能を持つPOSソフトとの組み合わせが条件です。価格には経済的な合理性が求められ、市場価格からかけ離れていれば説明を求められます。リース・レンタル契約や中古品は対象外です。

  • カテゴリー8:ソフトを継続して使うのに必要最低限の機器一式が対象(レジ用途は除く)
  • カテゴリー9:POS専用機、モバイルPOSレジとして使うPC・タブレット、券売機が対象
  • カテゴリー9の付属品:キャッシュドロワ、カスタマーディスプレイ、レシートプリンタ、自動釣銭機、カードリーダ、バーコード・QRコードリーダ、Wi-Fiルータ、運搬費に限る
  • 実績報告:納品書に加え、設置状況とラベルを貼った状態の現物写真を出す

インボイス対応類型では、3次締切分からスマートレジの導入を優先して採択しています。公募要領のカテゴリー8・9にスマートフォンは含まれていません。PCとタブレットの選び方はパソコン・タブレットの記事で詳しく説明しています。

インボイス枠(電子取引類型)の対象と申請状況

電子取引類型は、インボイス制度に対応した受発注ソフトのうち、取引の発注側の事業者が導入し、受注側の中小企業や小規模事業者にアカウントを無償で発行して使わせられるものを補助します。補助額は下限なし〜350万円で、補助率は中小企業・小規模事業者等が2/3以内、その他の事業者等が1/2以内です。対象経費はクラウド利用料(最大2年分)で、契約するアカウントの総数のうち、取引先の中小企業などに配るアカウントの割合をかけた額だけが補助の対象になります。2026年の1〜3次では、申請数・交付決定数ともに0件でした。整備工場がこの類型を使うのは、自社が発注側となって協力工場や外注先にアカウントを配る場面に限られます。取引先にアカウントを配る予定がなければ、インボイス対応類型か通常枠を先に検討します。

セキュリティ対策推進枠の対象サービス(お助け隊サービス)

セキュリティ対策推進枠の対象は、IPAが公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っているサービスのうち、IT導入支援事業者が提供し、事務局に事前登録したものに限られます。公募要領によると、お助け隊サービスは中小企業のサイバーセキュリティ対策を支援するための相談窓口、異常の監視、事案発生時の初動対応(駆付け支援など)、簡易サイバー保険を含むサービスを、安価で効果的なワンパッケージで提供するものです。リストに載るには、IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス基準」を満たすことを審査登録機関が確認している必要があります。補助の対象はサービス利用料の最大2年分で、補助額は5万〜150万円、補助率は中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内です。たとえば小規模事業者が2年分で税抜30万円のサービスを契約すれば、補助は20万円になります。

申請できない場合お助け隊サービスを含むITツールで、IT導入補助金2022〜2025のいずれかの枠で交付決定を受けた事業者や、2026年度にいずれかの枠で申請中・交付決定済みの事業者は、セキュリティ対策推進枠に申請できません。

申請数は1次88件、2次28件、3次18件と少なく、採択率は71.4〜72.7%でした。整備工場では、顧客の氏名・住所・車検証の情報を扱う受付PCが、狙われやすい端末になります。どのサービスが自社のPC台数や回線に合うかは、IT導入支援事業者が登録しているサービスの中から選びます。

インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・通常枠の併用

インボイス対応類型とセキュリティ対策推進枠は、年度内にそれぞれ1申請・1交付決定までです。そのうえで、各枠の公募要領は、同じ期間に通常枠やほかの枠へ申請し、交付を受けることを認めています。注意したいのは二重計上で、特にオプションと役務は重なりやすいと要領が名指ししています。疑いがあれば、交付決定後や入金後でも交付決定の取消しと全額返還を求められる場合があります。もう1つは通常枠の減点です。通常枠の公募要領は、同じ年度にインボイス枠へ申請している、または交付決定を受けた事業者を減点の対象に挙げており、同じ機能のツールならさらに減点されます。インボイス枠で会計ソフトを入れ、通常枠で整備システムを入れるといった組み合わせを考えるときは、どちらを先に出すかも含めて計画を立てます。残る締切は6次の10月30日(金)と7次の12月1日(火)で、いずれも17:00です。

整備工場でのインボイス枠・セキュリティ対策推進枠の使い分け

整備工場がどの枠を使うかは、導入したいツールが事務局にどの枠・機能で登録されているかで決まります。同じ整備システムでも、会計・受発注・決済の機能でインボイス対応として登録されていればインボイス対応類型の候補になり、顧客管理や業種固有の機能を中心に申請するなら通常枠になります。登録内容は事務局のITツール検索で確認できます。

やりたいこと 候補になる枠 確認すること
インボイス対応の請求書発行と会計をまとめたい インボイス対応類型 ソフトが会計・決済などの機能で登録されているか
受付用のPCやタブレットも一緒に入れたい インボイス対応類型(カテゴリー8) ソフトと同じ支援事業者から買うか
店頭の用品販売にPOSレジを入れたい インボイス対応類型(カテゴリー9) 決済機能を持つPOSソフトと組み合わせるか
顧客管理や車検案内、作業管理を整えたい 通常枠 プロセス数と、150万円以上なら賃上げ要件
ウイルス感染や情報漏えいに備えたい セキュリティ対策推進枠 お助け隊サービスリストに載っているか

整備工場向けの補助金の全体像は自動車整備工場向けの記事で、補助の対象になるITツールの考え方は対象ITツールの記事でまとめています。

日本カーネットはIT導入支援事業者として、自動車整備システムや車両販売システムが通常枠とインボイス枠のどちらで申請できるか、PCやタブレットを含めた構成で補助額がいくらになるかを一緒に確認しています。申請マイページでの提出や宣誓は申請者ご本人が行う手続きです。6次・7次の締切に間に合わせたい場合は、無料で相談するからお問い合わせください。

まとめ

インボイス枠(インボイス対応類型)は、会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つインボイス対応ソフトと、その使用に必要なPC・タブレット・レジを補助する枠です。ソフトは最大350万円で、補助額50万円以下の部分は3/4(小規模事業者は4/5)、超える部分は2/3です。PC等は補助額10万円、レジ等は20万円が上限で、補助率は1/2、ハードウェアだけの申請はできません。電子取引類型は取引先にアカウントを無償で配る受発注ソフトが対象で、2026年1〜3次の申請は0件でした。セキュリティ対策推進枠は、IPAのお助け隊サービスの利用料を最大2年分、5万〜150万円の範囲で補助し、補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3です。どの枠も年度内1申請で、ほかの枠との併用はできますが、二重計上は認められません。

  • インボイス対応類型:ソフト最大350万円、小規模は補助額50万円まで4/5
  • PC等は補助額10万円、レジ等は20万円まで(補助率1/2)
  • セキュリティ対策推進枠:お助け隊サービス利用料を最大2年分
  • 残る締切は10月30日(6次)と12月1日(7次)

よくある質問

Q. インボイス枠でパソコンだけを買えますか?
A. 買えません。インボイス対応類型の公募要領は、ハードウェアを申請する場合は「会計」「受発注」「決済」の機能を持つソフトウェアとあわせて申請することを求めています。PCやタブレットの補助は補助率1/2で、補助額の上限は10万円です。
Q. インボイス対応類型とセキュリティ対策推進枠は同じ年度に両方申請できますか?
A. できます。各枠の公募要領は、年度内の申請を1法人・1個人事業主あたり1申請としたうえで、他の枠への申請と交付は可能としています。ただし、オプションや役務を二重に計上すると交付決定の取消しや全額返還の対象になり得るため、構成はIT導入支援事業者と確かめてください。
Q. セキュリティ対策推進枠ではどんなサービスが対象ですか?
A. IPAが公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っているサービスのうち、IT導入支援事業者が事務局に事前登録したものです。お助け隊サービスは、相談窓口、異常の監視、事案発生時の初動対応(駆付け支援など)、簡易サイバー保険をワンパッケージで提供するものと定義されています。
Q. 整備工場は小規模事業者に当たりますか?
A. 公募要領の小規模事業者の定義は、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)が常時使用する従業員5人以下、製造業その他が20人以下です。役員と個人事業主本人は従業員に数えません。自社がどの業種分類に当たるかは要領に業種別の記載がないため、申請前にIT導入支援事業者と確認してください。
Q. 電子取引類型は整備工場でも使えますか?
A. 電子取引類型は、取引の発注側がITツールを導入し、受注側の中小企業などにアカウントを無償で発行して使ってもらう仕組みが対象です。2026年の1〜3次では申請が0件でした。整備工場が発注側として取引先にアカウントを配る場面があるかどうかで判断します。
Q. 整備工場がデジタル化・AI導入補助金で導入するシステムは、どう選べばよいですか?
A. まず補助の対象として登録されたITツールかを確認し、そのうえで業務に合うかを比べます。整備工場なら自動車整備システム(自動車整備ソフト)、販売も行うなら車両販売システム(車販ソフト)が候補です。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで導入できるか、電子車検証の読み取りや整備記録簿に対応しているかも確かめてください。

出典

このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。

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