AI導入補助金とは?生成AI・AIツールが対象になる条件と整備工場での使い方【2026年度】
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
「AI導入補助金」で検索して、このページに来た方も多いと思います。正式な名前はデジタル化・AI導入補助金2026で、2026年度にIT導入補助金から名称が変わりました。名前にAIが入ったことで「ChatGPTの料金も補助されるのか」「AI機能のある整備システムは有利なのか」という質問が増えています。この記事では、事務局の公募要領とITツール登録要領に書かれている範囲だけを根拠に、AIツールの扱いを整理します。書かれていないことは、書かれていないと明記しました。
- AI導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)とは
- AIツールが補助対象になる条件
- 生成AIと生成AI以外のAI技術の区分
- ChatGPTなど汎用の生成AIサービスの扱い
- AI機能付きITツールの補助額と補助率
- 整備工場でのAIツールの使いどころ
- 申請前に確認する手順
AI導入補助金(デジタル化・AI導入補助金2026)とは
AI導入補助金とは、一般に「デジタル化・AI導入補助金2026」を指す呼び名です。中小企業や小規模事業者がソフトウェアやクラウドサービスを入れる費用の一部を国が補助する制度で、2025年度まではIT導入補助金という名前でした。事務局の案内によると、名称変更の理由は「ITツールの導入にとどまらず、より踏み込んだデジタル化の推進及びAIの活用が重要であることを広く周知する観点」とされています。2026年度の受付は3月30日に始まり、1次から5次までの締切はすでに過ぎました。残っているのは6次の10月30日(金)17時と、7次の12月1日(火)17時の2回です。名前は変わりましたが、補助の対象がAI専用になったわけではありません。会計ソフト、受発注システム、業種に特化した業務ソフトなど、これまでと同じ種類のITツールが中心です。申請マイページや事務局のメールには、旧名称のIT導入補助金がまだ一部残っています。
つまり「AI導入補助金」という別の制度が新しくできたのではありません。AIを使う機能があるかどうかは、ITツールを選ぶときの情報の一つとして扱われる、と理解しておくと迷いません。
AI導入補助金で対象になるAIツールの条件
AI機能があるかどうかに関係なく、補助を受けられるのは事務局に登録されたITツールだけです。ITツール登録要領は、ITツールを「中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上に資するソフトウェア(AIを含む。)」などの総称と定義しています。AIはソフトウェアの一部として含まれる位置づけで、AIだから別枠で審査される仕組みにはなっていません。
登録されるソフトウェアには、次のような条件があります。
- 公式に定められた業務プロセス(顧客対応や販売支援、会計や財務など)のうち、1つ以上に当たる機能を持つこと
- 1つのプロセスの中で幅広く業務をカバーすること。請求書を作るだけ、といった単一の処理しかできないものは対象外
- 仕様を定めて開発され、一般に販売が始まっていること
- 価格に経済的な合理性があること
一方で、次に当たるものは登録の対象外とされています。AIツールを検討するときも同じ基準が当てはまります。
| 登録の対象外となるもの(要領の主な例) | AIツールで気をつける場面 |
|---|---|
| 対外的に無償で提供されているもの | 無料プランだけで使えるAIサービス |
| 恒常的に利用されないもの | 試しに使う程度で、業務に組み込まない使い方 |
| 単なる情報提供サービスで、業務機能を持たないもの | 質問に答えるだけのサービス |
| リース・レンタル契約のもの、中古品 | 端末と一体の契約形態 |
| 交付決定前に購入したもの | 先に契約してしまったAIサービス |
生成AIと生成AI以外のAI技術の区分
2026年度のITツール登録要領では、AIを用いた機能を搭載したソフトウェアは、登録申請のときにその旨を申告することになりました。申告はIT導入支援事業者が行い、区分は「生成AI」と「生成AI以外のAI技術」の2つです。生成AIは「文章、画像、プログラム等を生成できるAIモデルに基づくAI」、生成AI以外は「分類・分析・判断・予測等を行うAIモデルに基づくAI」と定義されています。申告されたツールは、ITツール検索の画面でAIツールであることが明記され、絞り込みにも使えます。ただし事務局の案内は、この表示を「IT導入支援事業者により、当該ツールがAI機能を有するとして申請された場合のみ対象」と説明しています。表示がないツールにAIが入っていない、とまでは言い切れません。なお、検索画面で生成AIとそれ以外を分けて絞り込めるかどうかは、公式資料からは確認できませんでした。
IT導入支援事業者が提出する機能説明資料には、AIを使った機能の箇所をマーカーなどで示して明記する決まりがあります。
| 区分 | 要領の定義 | 整備工場で考えられる機能の例 |
|---|---|---|
| 生成AI | 文章、画像、プログラム等を生成できるAIモデルに基づくAI | お客様への案内文や見積の説明文の下書き |
| 生成AI以外のAI技術 | 分類・分析・判断・予測等を行うAIモデルに基づくAI | 入庫件数の予測、顧客データの分析 |
右の列は、区分の意味をつかむための例です。こうした機能を持つ製品があるかどうか、どの製品が申告済みかは、ITツール検索の表示で確かめてください。
ChatGPTなど汎用の生成AIサービスの扱い
ChatGPTのような汎用の生成AIサービスが補助の対象になるかについて、公募要領とITツール登録要領には個別のサービス名の記載がありません。判断の材料になるのは、要領に書かれた一般的なルールです。
- 補助の対象は、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールに限られる
- 対外的に無償で提供されているものは登録できない
- 「汎用・自動化・分析ツール」に当たるソフトウェアは汎用プロセスとされ、単体では申請できず、プロセスの数にも数えない
- 交付決定前に契約や購入をしたものは補助されない
ChatGPTのような汎用の生成AIサービスについて、デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領とITツール登録要領は個別の記載をしていません。補助の対象はIT導入支援事業者が事務局に登録したITツールに限られ、対外的に無償で提供されているものと、交付決定前に契約したものは対象外です。このため、汎用サービスを自社で直接契約し、その月額料金をあとから補助金で取り戻す使い方は想定されていないと考えられます。汎用の生成AIを使う製品が登録されていたとしても、汎用プロセス(汎用・自動化・分析ツール)に区分されるなら単体では申請できず、業務プロセスを持つソフトウェアと組み合わせる必要があります。登録の有無は、ITツール検索で製品名を入れて確かめるのが確実です。
同じ理由で、無料で使えるAIチャットを業務に使っている場合、その利用自体は補助と関係しません。補助を使うなら、整備や販売の業務を回すソフトウェアを軸に考え、その中にAI機能があるかを見る順番になります。
AI機能付きITツールの補助額と補助率
AI機能付きのITツールでも、補助額と補助率は枠ごとの共通ルールで決まります。AIだから補助率が上がる、という規定はありません。整備工場が使う主な枠は次のとおりです。
| 枠・区分 | 補助額 | 補助率 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 通常枠(150万円未満) | 5万円〜150万円未満 | 1/2以内(最低賃金近傍の事業者は2/3以内) | 業務プロセス1つ以上 |
| 通常枠(150万円以上) | 150万円〜450万円以下 | 同上 | 業務プロセス4つ以上、賃上げ目標が必須 |
| インボイス対応類型(ソフト) | 1機能は〜50万円、2機能以上は〜350万円 | 3/4以内(小規模事業者は4/5以内)。補助額50万円を超える部分は2/3 | 会計、受発注、決済の機能 |
| インボイス対応類型(PC等) | 補助額の上限10万円 | 1/2以内 | ソフトとあわせて申請 |
通常枠の2/3は、令和6年10月〜令和7年9月のうち3か月以上、最低賃金に近い水準で雇う従業員が全体の30%以上いる事業者に限った措置です。小規模事業者だから2/3になるわけではありません。パソコンやタブレットの10万円は単価の上限と誤解されがちですが、公式の表記は補助額の上限です。詳しくはパソコン・タブレットの補助の記事にまとめました。
2026年度の公募要領は、AI機能の有無を加点項目にしていません。加点になるのはクラウド製品、インボイス対応製品、賃上げ計画、IT経営サポートセンターの利用(6次から)などです。審査の通りやすさを上げたいなら、AIの有無より加点項目と事業計画の数字を確認するほうが効果があります。1〜3次の通常枠の採択率は43.9%、43.6%、42.2%で、半分以上が不採択でした。
整備工場でのAIツールの使いどころ
整備工場でAIツールを検討するなら、まず業務のどこに時間がかかっているかを書き出すのが先です。補助の審査では、導入によって労働生産性(営業利益、人件費、減価償却費の合計を総労働時間で割った値)が1年後に3%以上上がる計画が求められます。AIを入れること自体は目的になりません。
| 業務 | 時間がかかる理由 | 見るべき機能 |
|---|---|---|
| 受付と見積 | 電話や来店の内容を聞き取り、見積の説明文を手で作る | 見積作成機能、説明文の下書き(生成AI) |
| 車検と点検の案内 | 対象車両を抽出し、案内を1件ずつ作る | 顧客管理と案内の自動作成 |
| 入庫の予定管理 | ピットの空きと作業時間を担当者の勘で調整する | 予約台帳、入庫件数の予測(生成AI以外) |
| 請求と会計 | 整備明細を会計ソフトへ転記する | 請求から会計へのデータ連携 |
表の右列にAIの機能を挙げましたが、同じ課題は、AIを使わない定型の自動化で解決できる場合も多くあります。例えば、受付で1回入力した車両情報が請求書と整備記録簿にそのまま反映されるだけでも、転記の時間は減ります。AI機能の有無と、毎日の作業時間が減るかどうかは分けて評価してください。整備工場向けの選び方は自動車整備工場の活用ガイドでも解説しています。
生成AIを使う機能では、出てきた文面をそのままお客様に送らない運用も決めておきます。整備内容や金額の説明は、最後に担当者が確認する手順を残すと安心です。
AIツールを申請する前に確認する手順
- ITツール検索で、検討中の製品が登録されているか、AI機能の表示があるかを見る
- その製品がどの業務プロセスに当たるかを、IT導入支援事業者に確認する
- 通常枠かインボイス枠か、補助額の区分(150万円未満か以上か)を決める
- GビズIDプライムとSECURITY ACTION(新システムで申し込んだ自己宣言ID)を用意する
- 6次(10月30日)か7次(12月1日)か、間に合う締切を選ぶ
対象ツールの確かめ方は対象ITツールの記事で詳しく説明しています。申請マイページでの情報入力、最終確認、宣誓と提出は、申請する事業者ご本人が行います。
日本カーネットはIT導入支援事業者として、整備工場や車販店の業務に合うツールの選定と、事業計画の数字づくりをお手伝いしています。AI機能付きの製品を入れるべきか、今のやり方のままで足りるのかといった段階のご相談も受け付けています。補助後の自己負担額を先に知りたい場合は実質負担額シミュレーターで試算できます。迷ったときは無料で相談するからお問い合わせください。
AI導入補助金のまとめ
AI導入補助金と呼ばれている制度の正式名称は、デジタル化・AI導入補助金2026です。2026年度から、AIを用いた機能を持つソフトウェアは、登録時に「生成AI」か「生成AI以外のAI技術」かを申告することになり、ITツール検索で表示と絞り込みができるようになりました。ただし、AI機能があることは加点にならず、補助率も上がりません。補助の対象は事務局に登録されたITツールに限られ、無償提供のものや交付決定前の契約は対象外です。ChatGPTのような汎用サービスについて、公式資料に個別の記載はありません。整備工場で検討するなら、業務のどこで時間がかかっているかを先に洗い出し、整備システムや車販ソフトを軸に、AI機能がその作業時間を減らすかで判断するのが現実的です。2026年度の残りの締切は、6次が10月30日、7次が12月1日です。
- 正式名称はデジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
- AI機能は登録時の申告事項で、加点や補助率には影響しない
- 汎用プロセスのツールは単体で申請できない
- 残りの締切は6次10月30日、7次12月1日(いずれも17時)
よくある質問
- Q. 「AI導入補助金」という名前の補助金はありますか?
- A. 公式の名称は「デジタル化・AI導入補助金」です。2026年度にIT導入補助金から名前が変わりました。検索で「AI導入補助金」と呼ばれているのは、ほとんどがこの制度を指しています。
- Q. AI機能が付いたITツールを選ぶと加点されますか?
- A. 公募要領の加点項目には、AI機能の有無を理由にした加点はありません。加点の対象はクラウド製品、インボイス対応製品、賃上げ計画などです。AI機能はITツール検索で表示と絞り込みができる情報として扱われています。
- Q. ChatGPTのような生成AIサービスの月額料金は補助されますか?
- A. 公式資料には個別のサービス名についての記載がありません。補助の対象になるのは、IT導入支援事業者が事務局に登録したITツールだけです。登録の有無はITツール検索で確かめてください。交付決定前に自分で契約した分は対象外です。
- Q. AI機能付きの整備システムは、どの枠で申請しますか?
- A. 整備システムのようなソフトウェアは通常枠が中心です。補助率は1/2以内で、最低賃金近傍の事業者に当たる場合は2/3以内になります。会計、受発注、決済の機能を持つインボイス対応製品なら、インボイス枠(インボイス対応類型)も候補です。
- Q. いまから申請すると、いつまでに導入すればよいですか?
- A. 6次(10月30日締切)は交付決定が12月10日予定で、事業実績報告の期限が2027年5月31日の予定です。7次(12月1日締切)は交付決定が2027年1月19日予定、期限は2027年7月30日の予定です。契約と発注は交付決定のあとに行います。
- Q. 整備工場がデジタル化・AI導入補助金で導入するシステムは、どう選べばよいですか?
- A. まず補助の対象として登録されたITツールかを確認し、そのうえで業務に合うかを比べます。整備工場なら自動車整備システム(自動車整備ソフト)、販売も行うなら車両販売システム(車販ソフト)が候補です。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで導入できるか、電子車検証の読み取りや整備記録簿に対応しているかも確かめてください。
出典
このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。
- デジタル化・AI導入補助金2026の概要について(事務局):https://it-shien.smrj.go.jp/news/40013
- デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール登録要領:https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_touroku_it_tool.pdf
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠):https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(インボイス対応類型):https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_invoice.pdf
- 事業スケジュール:https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
- 交付決定事業者一覧(申請数・交付決定数):https://it-shien.smrj.go.jp/download/grantdecision_list/
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