IT導入補助金の実績報告のやり方と期限|デジタル化・AI導入補助金2026の提出書類と支払方法の注意
公開日:2026年10月4日 更新日:2026年10月4日
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、交付決定を受けただけでは入金されません。ITツールの契約・導入・支払いを終えたあと、証憑をそろえて「事業実績報告」を出し、補助金額を承認して、はじめて補助金が振り込まれます。この記事では、実績報告の手順、回ごとの期限、必要な提出物、支払方法の注意、入金までの流れを、2026年10月4日時点の公募要領と事務局の案内から整理します。
- IT導入補助金の実績報告とは何か
- 実績報告の期限(1〜7次)
- 実績報告の前に終えておく手続きの順番
- 実績報告で認められる支払方法
- 実績報告の提出書類(証憑)
- 実績報告から補助金の入金まで
IT導入補助金の実績報告とは
実績報告とは、デジタル化・AI導入補助金の交付決定を受けた事業者が、ITツールを実際に契約・導入し、代金を支払ったことを証憑で示す手続きです。事務局の「交付決定後に必要な手続き」ではSTEP07「事業実績報告」にあたります。手順は3段階で、まず補助事業者が申請マイページで必要な情報を入力し、証憑を添付して実績報告を作成します。次にIT導入支援事業者が内容を確認し、必要な情報を入力します。最後に補助事業者が最終確認をして事務局へ提出します。提出ボタンを押すのは申請者です。実績報告を出すまでに、すべてのITツールで事業が完了し、利用・運用が始まっている必要があります。事務局は、事業が適正に行われなかった場合や、実績報告期間中に正しく報告されなかった場合は補助金を受けられないと注意しています。交付規程第27条は、正当な理由なく期日までに実績報告をしなかった場合や、期日までに不備を訂正しなかった場合を、交付決定の取消し事由に挙げています。
実績報告は補助金の額を確定させるための報告で、入金の前に一度だけ出します。効果報告は入金のあと、生産性や賃上げの状況を数年にわたって報告するものです。効果報告の期間や中身は効果報告の記事で解説しています。
デジタル化・AI導入補助金2026の実績報告の期限
実績報告の期限は、申請した回ごとに決まっています。公募要領(通常枠)3-4は、補助事業の実施と実績報告の期間を「交付決定日~6ヶ月間程度」とし、具体的な日付は事業スケジュールで公表するとしています。通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠は同じ日程です。
| 回 | 交付決定日 | 事業実施・実績報告の期限 |
|---|---|---|
| 1次 | 2026年6月18日(木) | 2026年12月25日(金)17:00 |
| 2次 | 2026年7月23日(木) | 2027年1月29日(金)17:00 |
| 3次 | 2026年9月2日(水) | 2027年2月26日(金)17:00 |
| 4次 | 2026年10月7日(水)予定 | 2027年3月31日(水)17:00 |
| 5次 | 2026年11月9日(月)予定 | 2027年4月30日(金)17:00 |
| 6次 | 2026年12月10日(木)予定 | 2027年5月31日(月)17:00 |
| 7次 | 2027年1月19日(火)予定 | 2027年7月30日(金)17:00 |
4次以降の日付はいずれも予定で、変更される場合があります。期限の日に慌てて書類を集めると、請求書の明細不足や振込明細の取り違えに気づくのが遅れます。導入が終わって支払いを済ませたら、その月のうちに証憑を集めて実績報告を作り始めるのが安全です。
期限内に事業が終わりそうにない場合は、交付規程第21条により、IT導入支援事業者の確認を受けて速やかに事務局へ遅延を連絡し、指示を受ける必要があります。黙って期限を過ぎるのが最も危険です。年間の日程は2026年のスケジュールの記事にまとめています。
実績報告の前に終えておく契約・導入・支払いの順番
実績報告の前提は、交付決定日以降に「契約・発注」「納品・導入」「請求・支払い」の3つを一連で終えていることです。公募要領(通常枠)3-4(1)はこれを「事業の実施」と定義しています。最初に来るのは必ず契約・発注で、交付決定前に契約や発注をしたITツールは補助の対象になりません。納品と支払いはどちらが先でもかまいませんが、支払いの前にIT導入支援事業者から請求が出ている必要があります。確定検査で、契約より先に納品や支払いがあったと確認された場合や、請求より先に支払いがあった場合は、補助金が交付されず、交付決定が取り消されることがあります。サブスクリプション型の整備システムでも同じで、申込日や契約日が交付決定日より前になっていないかを確かめます。セキュリティ対策推進枠の要領でも、ITツールの利用を証する資料は契約日か申込日が交付決定日以降であることが条件です。
交付規程第27条は、導入日から1年未満でITツールを利用しなくなった場合も取消し事由に挙げているため、導入後の継続利用も前提になります。
- 契約・発注:交付決定日以降に行い、契約日・内容・金額に相違がないか確かめます
- 納品・導入:納品日・納品内容・導入開始日に相違がないか確かめます
- 請求・支払い:請求書を受け取ってから支払い、証憑を保管します
実績報告で認められる支払方法(銀行振込・クレジットカード1回払い)
デジタル化・AI導入補助金で認められる支払方法は、原則として銀行振込とクレジットカード1回払いの2つだけです。公募要領は、支払いの事実の客観性を担保するためと理由を示し、その他の方法で支払った場合は補助金を受けられないと書いています。銀行振込は、補助事業者が持つ金融機関の口座から、IT導入支援事業者の口座へ振り込む形です。金融機関の窓口やATMを使っても、現金での支払いは認められません。口座振替も使えますが、通帳などで支払いの事実がわかる書類を出す必要があります。クレジットカードは分割払いやリボルビング払いが不可で、1回(一括)払いに限られます。分割は不可です。法人の申請なら法人名義の口座から引き落とされる法人カードやコーポレートカード、個人事業主なら代表者本人名義のカードを使います。支払元は補助事業者名義の口座、支払先はIT導入支援事業者の口座であることが必須で、補助事業者名義でない口座から支払った場合は補助金を受けられません。
- 銀行振込:補助事業者名義の口座からIT導入支援事業者名義の口座へ振り込みます(窓口・ATMでの現金振込は不可)
- 口座振替:使えますが、口座振替依頼書と通帳などで支払日・金額が確認できる必要があります
- クレジットカード:1回払いに限ります。法人は法人名義口座から引き落とされるカード、個人事業主は本人名義のカードを使います
- 使えない方法:現金、分割払い、リボルビング払い、補助事業者名義でない口座からの支払い
整備工場では、日々の部品代を社長個人のカードで立て替えていることがあります。補助事業のITツール代金をそのカードで払うと、法人の申請では名義の要件を満たしません。支払い前に、どの口座かどのカードから払うかを経理担当と決めておくと、実績報告のやり直しを防げます。最初の1回で決めておけば済む話です。
実績報告の提出書類(必要な証憑)
実績報告で提出する証憑は、公募要領(通常枠)3-4(2)に一覧があります。中心になるのは、請求書、支払いの証憑、補助金を受け取る口座の情報、ITツールの利用を示す画面キャプチャの4種類です。請求書が「一式」表記で中身がわからない場合は、請求明細書もあわせて出します。銀行振込の証憑は振込明細書、振込受付書、インターネットバンキングの取引完了画面、通帳の表紙と該当ページなどで、支払日、支払元口座(金融機関名・口座番号・口座名義人)、支払先名、支払金額、振込が完了したことがわかる必要があります。提出できるのは補助事業者側の書類だけで、IT導入支援事業者の口座の取引明細や領収証は認められません。クレジットカード払いなら、カード会社が発行する利用明細で、支払日、支払元名、支払先名、金額、利用内容、引き落とし口座情報を示します。補助金を受け取る口座は日本国内の口座に限られ、キャッシュカードの写しは使えません。
| 書類 | 主な例 | 注意 |
|---|---|---|
| 請求に関する書類 | IT導入支援事業者が発行した請求書・請求明細書 | 一式表記なら明細書も出す |
| 支払いに関する書類(振込) | 振込明細書、振込受付書、ネットバンキングの完了画面、通帳 | 補助事業者側の書類に限る |
| 支払いに関する書類(カード) | カード会社発行の利用明細 | 引き落とし口座情報まで写す |
| 補助金を受け取る口座 | 通帳の表紙と表紙裏面、ネットバンキングの口座情報画面 | キャッシュカードは不可 |
| ITツールの利用を示す資料 | ソフト名と利用者が補助事業者だとわかる画面キャプチャ | 確認できなければ追加書類を求められる |
インボイス枠(インボイス対応類型)でPCやタブレットなどのハードウェアを買った場合は、納品書に加えて、導入・設置状況がわかる現物写真と、ラベルを貼った状態の現物写真が必要です。複数台なら全台分の写真を撮ります。小規模事業者として4/5の補助率で申請した場合は、指定様式の「従業員一覧」も出します。ハードウェアの扱いはパソコン・タブレットの記事で詳しく説明しています。
実績報告から補助金の入金までの流れ
実績報告を提出すると、事務局が確定検査を行い、問題がなければ交付すべき補助金の額を確定します。補助事業者は申請マイページで確定検査の結果と補助金交付決定額を確認し、内容に相違がなければ承認します。この承認にはSMS認証が必要で、承認しないと補助金は交付されません。交付規程第24条は、検査で交付決定の内容に適合すると認めたときに確定通知書で額を通知するとし、第25条は確定通知のあとに補助金を交付すると定めています。補助金は事務局から補助事業者へ直接支払われ、補助額の1円未満は切り捨てです。確定の際に事務局が指定する期日までに請求の意思を示さなかった場合は、交付決定の取消し事由になります(交付規程第27条)。入金日は事前にわかりません。承認から入金までの日数は、公募要領にも交付規程にも書かれていません。ITツールの代金はいったん全額を自社で支払うため、入金時期を見込んだ資金繰りを組んでおく必要があります。
- 事務局へ実績報告を提出する
- 事務局が確定検査を行い、不備があれば訂正を求められる
- 申請マイページで確定額を確認し、SMS認証で承認する
- 確定通知のあと、事務局から補助金が振り込まれる
入金で手続きが終わるわけではありません。補助事業に関する書類は、補助事業の完了日が属する年度の終了後5年間保管し、検査に協力する義務があります。2027年3月以降は効果報告も始まります。採択結果の確認から交付決定後の流れは採択率と不採択理由の記事もあわせてご覧ください。
整備工場が実績報告でつまずきやすいところ
公募要領の要件を整備工場の実務に当てはめると、確認しておきたい場面がいくつかあります。たとえば、整備システムの導入研修やデータ移行の費用を「一式」で請求されると、明細書を別に求められます。支払いを月末締めの手形や買掛でまとめて処理する習慣がある会社は、補助事業の分だけ銀行振込に分ける必要があります。受付用のタブレットをインボイス枠で買った場合は、設置した状態とラベルを貼った状態の写真を撮ってから現場に回すと、あとで撮り直す手間がかかりません。
- 請求書の宛名と支払元の口座名義が、申請した法人名・屋号と一致しているか
- 振込手数料の扱いで、請求額と支払額がずれていないか
- ITツールの画面キャプチャに、ソフト名と自社のアカウントが写っているか
- 従業員の増減で小規模事業者の定義から外れていないか(外れると補助率が下がる)
振込手数料の扱いや、明細の書き方について公式資料に細かい定めがない点は、IT導入支援事業者を通じて事務局の指示を確認するのが確実です。
実績報告の準備の相談先
日本カーネットはIT導入支援事業者として、自動車整備システムや車両販売システムの導入にあわせて、実績報告で使う請求書・明細書の発行や、申請マイページへの入力内容の確認をお手伝いしています。実績報告の提出と補助金額の承認は補助事業者ご本人の手続きなので、その操作も一緒に確認します。支払方法の決め方や証憑のそろえ方で迷ったら、無料で相談するからお問い合わせください。
まとめ
デジタル化・AI導入補助金の実績報告は、交付決定後にITツールの契約・導入・支払いを終えてから、申請マイページで証憑を添えて提出する手続きです。補助事業者が作成し、IT導入支援事業者の確認を経て、補助事業者が事務局へ出します。期限は回ごとに決まっており、1次が2026年12月25日、7次が2027年7月30日(予定)です。支払方法は原則として銀行振込とクレジットカード1回払いだけで、現金、分割払い、補助事業者名義でない口座からの支払いでは補助金を受けられません。提出物は請求書、支払いの証憑、補助金を受け取る口座、ITツールの利用画面が中心です。提出後は確定検査を経て、申請マイページでSMS認証による承認を行い、確定通知のあとに補助金が入金されます。入金までの日数は公式資料に書かれていないため、代金を先に全額払う前提で資金繰りを組んでください。
- 契約・発注は交付決定日以降に行う
- 支払いは補助事業者名義の銀行振込かカード1回払い
- 承認(SMS認証)をしないと入金されない
- 書類は年度終了後5年間保管する
よくある質問
- Q. 実績報告は誰が作って、誰が提出しますか?
- A. 事務局の案内では、補助事業者が申請マイページで情報を入力して証憑を添付し、IT導入支援事業者が内容の確認と必要な情報の入力を行います。最終確認のあと、事務局へ提出するのは補助事業者です。交付規程第23条も、補助事業者がIT導入支援事業者と協力して実績報告を行うと定めています。
- Q. 支払いを現金で済ませてしまいました。補助金は受けられますか?
- A. 公募要領は、支払方法を原則として銀行振込とクレジットカード1回払いに限っています。金融機関の窓口やATMを使った場合でも、現金による支払いは認められていません。その他の方法で支払った場合は補助金を受けられないと明記されています。
- Q. 社長個人のクレジットカードで会社の分を払っても大丈夫ですか?
- A. 法人の申請では、法人カード、ビジネスカード、コーポレートカードなど、法人名義の口座から引き落とされるカードで支払う必要があります。個人事業主の場合は代表者本人名義のカードです。補助事業者名義でない口座から支払った場合は補助金を受けられません。
- Q. 実績報告を出してから入金まで何日かかりますか?
- A. 公募要領と交付規程には、日数の記載がありません。流れとしては、実績報告の提出、確定検査、申請マイページでの補助金額の承認(SMS認証)、確定通知、補助金の交付の順に進みます。資金繰りは、ITツール代金を全額自社で支払う前提で組んでください。
- Q. 実績報告に使った書類はいつまで保管しますか?
- A. 公募要領(通常枠)4.(カ)は、補助事業の完了日が属する年度の終了後5年間、交付決定通知、契約書、注文書、納品書、請求書、振込受領書、領収書などを保管し、検査に協力するよう求めています。
- Q. 整備工場がデジタル化・AI導入補助金で導入するシステムは、どう選べばよいですか?
- A. まず補助の対象として登録されたITツールかを確認し、そのうえで業務に合うかを比べます。整備工場なら自動車整備システム(自動車整備ソフト)、販売も行うなら車両販売システム(車販ソフト)が候補です。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで導入できるか、電子車検証の読み取りや整備記録簿に対応しているかも確かめてください。
出典
このページは次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。
- 交付決定後に必要な手続き:https://it-shien.smrj.go.jp/aftergrantdecision/measures/
- デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール:https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
- 公募要領 通常枠:https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_tsujyo.pdf
- 公募要領 インボイス枠(インボイス対応類型):https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_invoice.pdf
- 公募要領 セキュリティ対策推進枠:https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_koubo_security.pdf
- 交付規程 通常枠:https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_kitei_tsujyo.pdf
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